" 短篇そのもののほうは、「踊るあほう」という題がついていた。トラウトの多くの小説とおなじく、それはコミュニケーションの悲劇的な失敗をテーマにしたものだった。
 プロットはこうである。空飛ぶ円盤に乗ったゾグという生物が、どうすれば戦争を防げるか、どうすればガンが治るかを説明するために、地球にやってくる。彼はこの情報をマーゴという惑星からたずさえてきた。そこの住民は、おならとタップダンスで会話をするのだ。
 ゾグは夜中にコネティカット州内に着陸する。着陸したとたん、近くの家が燃えているのを知る。彼はその家の中に駆けこみ、おならとタップダンスで、家の人たちに恐ろしい危険のことを知らせようとする。家の主人は、ゴルフのクラブでゾグの脳天をぶんなぐる。"

カート・ヴォネガット・ジュニア『チャンピオンたちの朝食』
@2 years ago